師匠の黒須治さんがお亡くなりになりました。

黒須治さんは私の元上司のクリエイティブディレクター・コピーライターです。

生前、私は会社を辞めて、一緒に小石川の事務所を見つけ、フルリノベーションを実行して、家具を運び込みました。

一緒に会社を新しく立ち上げる予定だったのです。

一緒に木場に行って、一枚板の神木のテーブル板を購入したり、

トイレの鏡にこだわったり、1階をアトリエにし、2階を執務室にしたり、

二人で毎日そのプランを練り、実行しました。

私は黒須さんを師匠と呼び、黒須さんは私をミーちゃん弟子と呼んでくれました。

互いに私は65歳まで、師匠は85歳まで、現役で一緒にあと20年は、頑張ろうと言い合っていました。

その後、予期せず、有り難いことにも私の出産があり、会社立ち上げはしばらく見送ることになりました。ただ、準備で買ったシェルチェアーや家具は、いつまでもペンと鍬を主宰する、黒須さんの席の横に置いてもらっていました。そこに家具があることが自分を待ってくれているようで、いつも心の支えでもありました。あと20年は黒須さんはいてくれるのだと思いながら、あれから4年が経ちます。

一昨日、黒須さんは急逝されました。本当に急なことでした。

前日も当日もお元気だったそうです。

急なことで心にぽっかり穴があいてしまいました。喪失感が半端ないです。

でも、いつも前を見ていこうって黒須さんが言ってくれていたから、前を向いて行こうと思います。いつまでも黒須師匠が私の心の中に生きていてくれると信じて。

ご冥福をお祈り申し上げます。